私は、占いをあまり信じていません。
でも、占いをやっています。
一見矛盾するこの事象についてお話したいと思います。
僭越ながら、大学の工学部を卒業し、半導体製造装置メーカーで技術開発の技術者としての経験があり、かつてどっぷりと理工系の仕事の進め方や考え方に浸かった者の見解としてお読みいただければ幸いです。
そんな私が、九星気学、四柱推命、姓名判断の3本柱で運勢鑑定を行います。
なんで?って思う人もいらっしゃることでしょう。
この「九星気学、四柱推命、姓名判断」を科学的か?と聞かれると「科学的ではない」と私は答えます。
これらの易は一見「統計」的な印象を与えますし、鑑定士や易者によって「統計的」と説明されることもあります。
しかしながら、贔屓目に見たとしても科学的な統計とは言いがたいと私は考えています。
では、「科学的」とはどのようなことなのでしょう?
私が考える定義は次のようになります。
・再現性がある
・客観的な検証がされている
・数式で説明できる
・数値で示されている(定量的)
数式や数値で説明できるからこそ過去についても説明できるし未来について予測もできるのです。定性的ではなく、定量的であることが科学的であることの要素のひとつです。
※定性的・・・現象を言葉や印象で示す
※定量的・・・現象を数値で示す
私は学生時代、大学4年のときの研究実習の際、教官に添削されて返ってきたレポートに「定性的ではなく、定量的にまとめてください。」と書かれていたことを今でも覚えています。簡単にいうと「数値で示せ」ということです。
例えば、次のようなケースは定性的でしかなく定量的ではないと判断します。
- 「〜〜なのではないだろうか?」というなんとなくの「仮説」を提示した段階で止まっており、仮説を証明するための数値的な根拠がない。
- 傾向を説明するために、数値を示していない。
ちなみに、巷にはびこるエセ科学本の多くにもそのような傾向が見られます。
怪しげな健康器具・健康食品などについても同様です。
根拠自体を示されていない傾向が多いのですが、「どこどこの学者が提唱している」「医療機関で使われている」などとうたって信ぴょう性を高めようとしていますので、知識のない方はそれだけで騙されてしまうのです。
どれだけの利用者数があって、どんな症状がどれくらいの数あって、改善が見られたのがどれくらいの数なの?改善にかかった期間は?などなど・・・突き詰めればボロが出てくること満載のような気がするのですがねえ。
客観的な検証が示されていないことも問題だと思います。
・・・と言ってはいるものの、この意見もあくまでまだ仮設ですが・・・、話がそれてきましたね。戻しましょう。
では、あらためて「統計」とは何なのか、言葉の意味を調べてみましょう。
コトバンクをご参照下さい。
https://kotobank.jp/word/統計-580054
この中に、
デジタル大辞泉の解説
とう‐けい【統計】[名](スル)
集団の個々の構成要素の分布を調べ、その集団の属性を数量的に把握すること。また、その結果を数値や図表で表現したもの。「―をとる」「―を出す」「就業人口を―する」 |
と、記述されています。
やはり、「数量的」「数値」で示されるのが「統計」なのです。
そういった考え方で議論するならば、例えば九星気学は「統計」でも「科学」でもないと言えます。
例えば、一白水星〜九紫火星の人それぞれ1,000万人(全部で9,000万人)を対象に調べて、
「理論よりも感性で物事を判断するタイプ」が
一白水星・・・70%(1,000万人中700万人)
二黒土星・・・40%(1,000万人中400万人)
三碧木星・・・20%(1,000万人中200万人)
・・・・
九紫火星・・・23%(1,000万人中230万人)
というように割合でズバッと示された場合、
「一白水星は理論よりも感性で物事を判断するタイプが約7割です。」と断言できます。
これなら、文句のつけようも無く統計的でしょう。
しかも、9,000万人が母数の調査ですから、信ぴょう性もあることでしょう。
ですが、現状の九星気学ではこのように数値では示されません。
どれくらいの人数を調べてそれぞれの星の傾向を割り出したのか、根拠も数値も不明なのです。
あ・・・、これ本当に調査したらひとつの仕事になるかもしれませんね。
占い業界から抹殺されるかもしれませんが・・・
いやいや、結果によっては占いの信ぴょう性を高めることにもなるかもしれません。
おそらく、ここからは私の推測になりますが、
占い師のもとに「占ってください」と相談に来た人たちを対象に「一白水星はこんな傾向のある人がなんとなく多いなあ〜・・・」的にまとめたものなのであって、数値データとしてはまとめられていないのだろうと思われます。
母数としてはそれほど多くないとしても、「占ってもらいにくる」というバイアスの掛かった集団に対してはそれなりに(定性的に)ある程度の傾向はあるのかもなあ・・・としか私も判断できません。
すなわち、「ズバリ当てる」ことは不可能。
・・・といえることが賢明な方ならお分かりいただけるのではないかと思います。
したがいまして、占いや運勢鑑定に接する際の姿勢としては、
「なんとなくそういう傾向があるかもね〜・・・」というくらいの軽い受け止め方がいいのではないか?と思うのです。
当たる確率だけでいえば、天気予報の方が高いと思います。科学的ですし・・・。
ではなぜ、私が占い・運勢鑑定をするのでしょうか?
人生の岐路に立ち、選択に迷ったとき、人はナゼ迷うのでしょうか?
一方を選んだ時のメリット・デメリット、他方を選んだ時のメリット・デメリット・・・、
いろいろと考え悩んだ結果、迷っている選択肢に対してほとんど同価値だと判断しているから迷っているのだろうと言えます。
同価値のものをいくら長い時間かけて考えてもなかなか結果は出ません。
決断しないでいると、どんどんと時は過ぎ去っていき、決断できないまま老いていくのみです。それであれば、早く決断するに越したことはないのではないでしょうか。
医師であるミヒャエル・シュピッツバートはこう言っています。(参考文献1)
「『決断の結果』は問題ではない。『決断すること』そのものが重要なのだ。」
そして、決断できない時はどうすればいいかというと
「迷った時はコインを投げて決めてしまうことだ。」
とのこと。
ええ〜〜?そんな決め方でいいの〜〜〜?
という声が聞こえてきそうですね。
コインを投げた結果、イヤな方が出ちゃったとしたら・・・
「イヤだ」と思うということは、その結果に逆らってでも選びたい選択肢の方を実は強く望んでいると解釈できます。
その場合は強く望んでいる選択肢を本当の気持として選び、進めば良いのです。
大切なのはランダムな決め方でいいので先に進むことなのです。
ここで私が申し上げたいことにようやくたどり着くのですが、
コインの代わりに占い・運勢鑑定を利用するのも一つの手ではないか?
ということです。
占い・運勢鑑定の場合、コインよりも判断材料は多いです。
ただし、決断するのはあくまでもご本人です。
前段でも申し上げたように、占い・運勢鑑定に「ズバリ当たる」ことはありません。
コインで決めるなら費用はかかりません。
占い・運勢鑑定の場合は費用がかかります。
コインだけよりも納得の行く判断材料が欲しい・・・という場合、それに見合った対価であると判断できるのなら占い・運勢鑑定を受けてみるのも一つの手だと思うのです。
なんとなく、まとまったんだかまとまっていないんだかわからない感じになってきましたが・・・
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
参考文献
1) マンガで分かる心療内科 第66回「優柔不断は危険?サイコロで不安を消す方法」 http://yusb.net/man/791.html